ロード・オブ・ザ・リング:王の帰還

「ロード・オブ・ザ・リング:王の帰還」(シリーズの第三作にして、最終作)を見てきた(原作の「指輪物語」は残念ながらよんだことがないのだが・・・)。とにかく、コンピュータ・グラフィクスなくしては、このシリーズなしといったところであろう。わがアライアンス・プロジェクトはの初期データは、ホビットのバギンズ一族の家系図を元にしたものを使っているので、まんざら無縁でもない。
さて、この映画は友情の物語とか人間の心(欲望)について、描かれているというのだが、その一方、やはり、ハリウッド映画的な西欧中心主義が目につくところである。もちろん、原作そのものが、ヨーロッパの様々な伝説にヒントをえてトルーキンが作り上げた、「サーガ」であるから、西欧中心主義であることはやむを得ないのではあるが。ヨーロッパ世界と思える、「ミッド・ランド」の王として帰還するアラルゴンが中心に描かれる最終作はとりわけその印象が強い。
ホビットは小人であるし、冥界の王のサウロンとその眷属たちの醜さといってない。また、悪と善との境界線を行き来する重要な人物であるゴレム=スメアゴルもそのとおり。美しく描かれるのは、ミッド・ランドのエリートたちといってしまえば身も蓋もないかもしれないが。
なぜ、我々がここにいるのかという「大きな物語」がこのようにコンピュータ・グラフィクスを用いて映画で描かれるというのは、誠に現代なのだが、「大きな物語」もまた、ロール・プレイ・ゲームになってしまうというのも、どんなものか。あくまでも「大きな物語」を矮小化することになり、そして再び、新たな物語を探して旅が始まるというわけではある。

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このページは、杉藤重信が2004年2月22日 22:49に書いたブログ記事です。

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