Sugiyama 椙山女学園
Sugiyama 椙山女学園
 

教師の世界

担当者 西口 正文
学科 心理
学年 1
開講期 前期
単位数 2 単位
開講日 前期 水曜日 3時限

※教員紹介へのリンクがない担当者は非常勤講師もしくは、他学部兼担教員です。

■授業内容

学校教育での「教師」役割についての問題化がどのような角度から提起されうるのか。さらに、その問題化がどのような反省知へと到りうるのか。これらを主題として、探究を深めるための方法を解説する。そのためにまず、日常世界における「教師」役割への通念的了解の仕方を取り上げ、次いでその了解仕方に対して、学校教育の当事者として仕事に携わる中から鋭く異議を提示した教師の事例をいくつか取り上げる。それら事例に共通するのは、教師の現在に向けた深い失望のまなざしと、それにもかかわらず/それゆえにこそ教師の仕事の可能性を求め続けようとする構えである。こうした事例の検討を経て、教師という存在の不可避に抱えもつアポリアへと認識を進めることが期待される。
アポリアへの認識の中には次のことも含まれる。(ア)教員の職務内容の概要を押さえること。(イ)自らの進路に教職を選択することの意味を問うこと。(ウ)教員の服務上の規範(教育上の懲戒と体罰をめぐる規範をも含めて)を理解すること。(エ)教員の身分保障に関する理解を深めること。

■授業計画

内容項目としては、下記の順序に沿って展開される。
《ただし、以下に記すのはあくまで計画であり、教員を交えた学び手たちの相互行為の過程では、大いなる変更も生じ得る。
そのことは、授業が一方的な伝達行為ではなく、そこに集う者の間の対話であろうとする場合には、当然に想定されることだ。》
1.導入(教師の世界を問うために---まなざしの痕跡)
2.「教師」役割についての通念的了解枠組---そのⅠ【“教育のプロ”としての役割(「教職の意義および教員の役割」を含める)】
3.「教師」役割についての通念的了解枠組---そのⅡ【“人間形成の導き手”としての美化された役割】
4.現実派,肉体派"教師の主張から聞きとるべき論点---そのⅠ【野放図で自堕落な自我との対決(「進路選択に資する各種の機会の提供等」を含める)(「教員の職務内容(研修、服務及び身分保障等を含む。)」を含める)】
5.現実派,肉体派"教師の主張から聞きとるべき論点---そのⅡ【教師と生徒は<敵>である(「教員の職務内容(研修、服務及び身分保障等を含む。)」を含める)】
6.<教育実践無用論>という問題提起---そのⅠ【経験的切実さに裏打ちされたシステム論的問題構制】
7.<教育実践無用論>という問題提起---そのⅡ【その透徹した問題感覚の重みを受け留めること】
8.「学びの共同体」の模索---そのⅠ
9.「学びの共同体」の模索---そのⅡ
10.「学びの共同体」の模索---そのⅢ
11.社会システムとして学校教育を捉える視線---【通念的了解枠組を乗り越えるための思考の起点(「教員の職務内容(研修、服務及び身分保障等を含む。)」を含める)】
12.教師という存在の不可避に抱えもつアポリア---そのⅠ【“教師”の存在被拘束性を認識すること】
13.教師という存在の不可避に抱えもつアポリア---そのⅡ【学びと育ちへのかかわり合いに帯びる可能性を把握すること(「教職の意義および教員の役割」を含める)(「進路選択に資する各種の機会の提供等」を含める)】
14.アポリアに向き合うことの徹底はいかにして可能か
《「教師」役割についての反省的問題化の方法》---そのⅠ【制約を認識しつつ自由を切り拓くこと(「教職の意義および教員の役割」を含める)】
15.アポリアに向き合うことの徹底はいかにして可能か
《「教師」役割についての反省的問題化の方法》---そのⅡ【出会いと対話が齎しうる創造性(「教職の意義および教員の役割」を含める)】
上記の各内容項目を貫いて、学校教育の存立機制との不可分の関連に視軸を向けつつ教師の仕事を問い迫る、という方向性が示されることになるだろう。

■履修上の注意

特記事項なし/
所定のシステム内存在に埋没した態で、非反省的意識態において、効率よく職務をこなすためのハウ・トウーを技術的知識として得ようとするのとはまったく方向を異にして、根源的で反省的な思索をこそ大切にしよう。

■授業方法

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■評価方法

主としてレポートにより、授業全体を通じて中心をなす論点についての理解および思考の展開内容・質を重視して評価する。正解主義ではなく、思考と表現について、受講者それぞれの持ち味を重要視する。さらに、「コメント・ペーパー」への記入・提出による「声の展示場」への参加意欲をも評価に統合する。

■授業テーマ

教師という存在の不可避に抱えもつアポリア

■授業の到達目標/育成する能力

学校教育での「教師」の仕事についての問題化を深め、既存の教育システムにおける役割期待との緊張関係の中で、魅力的な教師像を創造的に築けるようになることをねらう。 /批判的思考・判断  懐疑的でかつ探究的な態度・志向性

■教科書

指定しない

■参考書

木畑・西口ほか編『教育の臨界』(情況出版)、諏訪哲二『ただの教師に何ができるか』(洋泉社)、村田栄一『教育戯術』(明治図書)、佐藤学『教師というアポリア』(世織書房)、情況出版編集部編『教育の可能性を読む』(情況出版)、佐藤学『学びの快楽』(世織書房)、西口正文『教育的理性という呪縛』(近代文藝社)

■WEBページ

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