中部人類学談話会

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第100回例会を迎える中部人類学談話会

人類と文化を語って16年半 (この一文は第100回の記念として読売新聞に掲載されたものによっています。)

  中部人類学談話会会長 小谷 凱宣

 平成5年11 20日(土)に中部人類学談話会は第100回の例会を迎え、「シベリア牧畜民の民族学的研究」を共通テーマに、斎藤晨二・名市大教授をはじめ、4人の研究者が研究発表する予定である。第1回例会は昭和52年春に開かれているので、この談話会会は16年半の歴史を重ねたことになる。

 談話会が設立される契機になったのは、前年の昭和51年秋に日本人類学会・日本民族学会連合大会が酒井琢朗・愛知学院大学教授(現・同名誉教授)を中心に開催されたことにある。連合大会は昭和の初年から毎年秋に開かれている学会で、人類学の基本的研究課題のヒトとその文化の進化と地理的変異を、文系と理系の研究者が一堂に会して研究発表を行い、議論をするという広い視野に立った学会組織である。

 その大会の後、連合大会の趣旨を発展させて、東海地区を中心に人類学とその関係分野の研究者が集まり、研究発表と質疑討論を通して研究情報の交換をはかり、併せて研究成果を一般の方々に広く知っていただくことを目的とする談話会が設立されたのである。設立の中心は、酒井教授をはじめ、江原昭善・京大霊長類研教授(椙山女学園大学長・平成5年当時)、倉田勇・南山大学教授などであった。

 談話会は原則として、2か月に1回の例会を持ち、2人の発表者が充分に時間をとって研究成果を語る形式をとっている。研究者の発表はともすれば一人よがりになりがちで、分かりにくい傾向があるが、その弊害を避けるために、座長は発表者の紹介をかね、発表内容と研究動向との関連を説明する役目を果たしている。

 現在までに延べ200人を超える人々が各自の研究成果を発表してきた。発表者は名古屋を中心に中部地方の大学や研究機関の研究者が多いが、関西・関東地方の研究者も足を運んでくれている。取り上げられた発表内容も多岐にわたり、触れられた地域も全世界に及んでいる。まさに人類学、民族学を核にし、人類とその文化についての諸問題を語ってきたといってもよい。

 そのなかで昭和60年秋には例会50回を記念して「名古屋文化」をテーマにシンポジウムを開催し、講師に小島広治(名古屋女子短大)、田中真砂子(お茶の水女子大)、笠原嘉(名大)、安田文吉(南山大)の諸氏を迎え、江原昭善氏の司会のもとに活発なディスカッションが行われている。

 世界はいま、ボーダーレスの時代といわれ、民族文化問題、先住民文化の問題が毎日のように新聞に取り上げられている。談話会の発表者の主たる関心は、日本列島と日本人をふくむ人類と諸民族の文化の成り立ちと現状の比較研究、未来への洞察の試みにあり、発表内容は地味ながら、すぐれて今日的、現代的であると信じている。談話会はオープンな会合を目指し、一般の方々のご来聴を歓迎している。気軽に例会においでいただきたい。(こたに よしのぶ・名大教授・文化人類学)

掲載:1993年(平成5年)11月18日(木曜日)読売新聞

1998.3.27 更新
中部人類学談話会事務局アドレス:anthroch@hs.sugiyama-u.ac.jp

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